しゅっ…しゅっ…と裕平くんが赤ペンで丸付けをしていく。
「おー!!すっげえ!89点!!」
裕平くんの笑顔に私もつられて笑顔になる。
「あさ美ちゃんは、第1志望はどことか決まってる??」
『…うーん…』
私は家から結構近くの、公立の高校の名前をあげた。
特に行きたいという理由はないけれど、レベルは普通くらいだし…内申点の少ない私には丁度いいと思ったから。
「あさ美ちゃんならもっと上を目指しても大丈夫だと思うよ。」
『え?』
そこで
「勉強はかどってる〜?」
綾子おばさんがオレンジジュースを運んできてくれた。
「おばさん、見て下さいよ!あさ美ちゃん…すごい理解力がある。」
裕平くんは採点したページをおばさんに見せる。
「すっごい!あさ美ちゃんすごいじゃない!」
初めてそうな風に人からほめてもらえた私は
少し照れた。