次の日から
裕平くんの家庭教師が始まった。
と言っても、おばさんに喫茶店の奥のソファーを貸してもらって勉強することが多かった。
親しくない人とこんな風に関わらずを得ない状況になったのは久しぶりだったので、すごく緊張した。
「じゃあまず初めに!」
裕平くんは正面に座り、姿勢を正し私を見る。
「敬語は堅苦しいからナシ!分からないところがあったら遠慮なく分かるまで聞くこと!オッケー?」
『あっはい…。』
その笑顔から人柄の良さが滲み出ている。
年上のせいか、今までの人間関係とは違い打ち解けていけそうな気がした。
いくら勉強を頑張っていたとはいえ、ずっと不登校だった私にはやっぱり分からないことや苦手な科目があった。
だけど、裕平くんの教え方は非常に分かりやすく
私も自分から色々と質問できるようになった。