小学4年生になった時。
この頃から私の人生は狂い出していたのかもしれない。
クラス替えをしても私の孤独な生活は何の変化もなく、ただ過ぎてゆく。
こんなに人となかなか打ち解けられない人間は私くらいかもしれない、と思うほどだった。
怖がりな私は
誰かが何かを話している時、少し目が合っただけで自分のことを言われてるのではないかと胸騒ぎを起こした。
私の父はとにかくお酒とギャンブルに生きているような人で、些細なことで母に暴力をふるった。
荒れたリビングの隅で、母が声をあげながら泣いているのを何度も見たことがある。
優しい母だった。
とにかく優しかった。
ひとりっ子の私を、可愛がって育ててくれた。
私がもっと強気で、明るい性格の人間だったら
母を助けてあげられたかもしれない。
慰めの一言くらい言えたかもしれない。
そしたら、何かが変わっていたかもしれないのに。