時間は流れ、学校に行き始めるようになってから1ヶ月が経った。
辛い時や苦しい時がないと言えば嘘になる。
でももう緊張や胸騒ぎがすることはなかった。
また一人に戻っただけだ。
私は私がやるべきことだけに生きればいい。
クラスでは相変わらず孤立していて、学校は楽しいものではなかったが
丸聞こえの噂話や嫌がらせなんてものは気にならなくなっていた。
卒業までもう少し。
我慢すればいいんだ。
長い1日の授業を終えて、帰り道にそのまま綾子おばさんが経営する喫茶店に立ち寄る。
カランカラン、と可愛い音が鳴る扉の中はコーヒーの良い匂いが広がっていた。
「あ、あさ美ちゃん。おかえり。」
『ただいま。』
カウンターに腰掛けた私に、おばさんはアイスティーを出してくれた。
こうして私は毎日
放課後ここに立ち寄って、くつろいだり勉強したりしている。