心配していたけれど
私の机はちゃんと教室にあった。
担任の先生は私が学校に来たことがとても嬉しかったらしく、
泣きそうになりながら
何度も私に「よかった。よかった。」と言った。
だけどやっぱり
周りの視線は痛かった。
私の両親のことはニュースでも報道されていたため
周りが知らないはずはなかった。
私は被害者の娘でもあり
犯罪者の娘でもある。
同情の目を向けて、私に話しかけてきてくれる人もいたけど
やはり私を避ける人の方が多かった。
これは仕方のないことなんだ。
元々、人間関係が深かったわけでも親しい友人がいたわけでもないのだから…
私は母のことだけを胸にひたすら勉強に励んだ。
入学してからずっと授業を受けていなかった私が
いきなり授業についていくのは困難なことだった。
でも、ただひたすらに勉強に没頭した。