気持ちが不安だと、すぐ顔も俯いてしまうものだ。
陸に言われて顔を上げると、そこには青空が広がっていた。
すぐ隣に陸の笑顔。
「あさ美、大丈夫だ。ゆっくりでいいから…あさ美のペースで取り戻していけばいい。」
何も言わなくても
私の気持ちをすぐに見破る陸の存在が
半分心強く、半分恥ずかしかった。
「なんかあったらすぐに言えよ?俺ら、付き合い長いんだから。」
『ありがとう。』
陸は私の背中をポンポンと叩いて、隣を歩いた。
校門が近づき、
私は立ち止まる。
「あさ美……大丈夫か?」
陸も立ち止まり、心配そうに私を見る。
『…陸…先行って。』
「いや、でも……」
『いいから!…先行って。』
「………分かった。」
陸は何度も私を振り返りながら学校の中へ入っていった。
私………
もう怖くない。