『いただきます。』



食パンをかじると、カリッと良い音が鳴った。





おばさんは、私が今まで不登校だったなんてことは知らない。


だからおばさんからして見れば私は周りと何の変わりもなく

夏休みを終えた中学生が新学期を迎えているということ。




無駄に高鳴る、嫌な心臓の音にもおばさんは気付いていない。





平然を装いながら、ただ


学校に行ったところで今さら

私の机はあるのだろうかと

少し心配して考えていた。





緊張を必死に隠しながら

少し早めにマンションを出て、

学校へ向かった。







外の世界を恐れる気持ちよりも

母のことを強く思いながら。