私はとにかく内気で、いつも何かに怯えていた。
小学校の入学式
新しい環境に戸惑いを隠しきれなくて、泣きそうになりながら教室に入った。
“ふじい あさみ”と書かれた机を見つけ、椅子に座ったものの、小さな手に震えが止まらなかった。
自分を何かの病気ではないかと何度も思ったことがある。
私は人と接することがわからなくて、自分から友達を作ることができない性格だったため
どこに行っても一人になることが多かった。
周りから話しかけられても、どう笑っていいかわからず、上手く話せない自分。
たちまち沈黙を作ってしまう。
それに比べて陸は活発で友達があっという間にできる子だった。
中学のときも、男女ともに友達が多くて
いつも充実した生活を送っているようだった。高校生になった今もそれは変わらない。
陸とはずっと同じクラスだったわけじゃない。
でも家が近く、お互いのことをよく知ってるため
どんなに環境が変わっても陸だけは変わらない態度で接してくれていた。