「あさ美…大丈夫か?」
陸は床にあぐらをかいて、支度をする私を眺めて言った。
そして私が答える前に
「大丈夫なわけないか。」
と、小さく吐いた。
『…心配かけてごめんね。…おばさんにも色々お世話になってばかりで………』
「それは昔からお互い様だろ?俺もあさ美のおばさんにはちっちゃい時から可愛がってもらったし。」
陸は床に置いてある私の服を綺麗にたたみ直しながら言う。
私は立ち上がり、
壁にかけてあった制服を手にとった。
不登校の私にとってずっと着ることのなかった制服。
この数日間の残酷な悲しみを振り返る。
棺の中で眠る母を見て、
私はたくさんの後悔を嘆き、
何度も母に謝った。
お母さんごめん
ごめんね
本当にごめんなさい
ずっと心配をかけてばかりだった私。
枯れるほどの涙を流しながら、私は心に決めたんだ。
『ねえ陸……。』
「ん??」
『…私…今からでも間に合うかな…?』