『でも………』
「お金のこととかは何も心配しなくていいのよ。あさ美ちゃんは姉ちゃんの大事な娘だもの。これからはおばさんがずっとそばにいるから安心しなさい。」
肩は背中を優しくさする綾子おばさん。
まだ消えることのない悲しみからか
おばさんの優しさからか
とめどなく涙が流れた。
不安で
どうしようもなく怖かった。
泣けば泣くほど母はもういないのだと実感させられて
この世にこれほどの悲しみは他にないと思った。
こんなことならもっとああしとけばよかった、
あの時こうすればよかった、
今さら何の価値もない後悔を並べて
嘆くしかなかった。
その日私は
泣いては落ち着き
また泣いて
を繰り返し一睡もできないまま朝を迎えた。