「姉ちゃん!!!!」
泣き叫びながら母に飛びついたのは綾子おばさん。
母と綾子おばさんは2人姉妹で、
親を亡くしてからも仲良くやってきた。
綾子おばさんはまだ独身で、小さな喫茶店を経営している。
ここから近くのマンションで一人暮らししているが、
会うのは久しぶりだった。
さんざん泣きじゃくった後、綾子おばさんはお通夜やお葬式の準備を手配して忙しそうだった。
陸のおばさんも手伝ってくれて、
私はまだこの悲しく、無惨に慌ただしい状況を理解できないまま
ただ座っているしかなかった。
その隣でずっと陸は私の手を握ってくれていた。
ねえ
なんなの?
これは夢なの?
この光景はなんなの?
これからどうなるの?
母が死んでいるなんて信じられなくて
私は
怖くて
怖くて
寂しくて
震えながら泣いた。