その夜は、なんだか寝付けない夜だった。
昼間に少し、寝てしまったからだろうか?と考え起き上がった私は
窓の外を見る。
学校に通うものは、今
夏休みに入っていると思う。
8月を目前にした、まだまだ暑い夜だった。
夜空には奇妙に流れる雲と、薄明かりの月。
なぜか胸騒ぎが止まらず、私はリビングに向かった。
ガチャ。
扉を開け、電気をつけた瞬間だった。
『……………え………』
私が目にしたのは
血だらけになった母の姿だった。
『……お母さん?』
リビングに横たわった母の身体は
私に背を向けていて、
床は赤く染まっていた。
『お母さん!!!!』
涙目になり母に近寄ると、
母の腹部には包丁が刺さっていた。
…………………
嘘でしょう?
なにこれ…………
どうしよう
パニックになりながらも
私はとにかく救急車を呼ばなくてはいけないと思った。