『…おばさん……?』





「あさ美ちゃん…………ありがとう。おばさん何もしてやれないのにそんな風に思ってくれて…………」





嬉しそうに笑ったおばさんの瞳からこらえきれずにこぼれた一滴の光は



不登校だった時、
いつか母が私の肩を抱いてくれたことを思い出させた。



母は私に
あさ美は私の大事な娘だと言った。


他人には感じられない愛を母からは感じることができた。




ありがたかった。

心から嬉しかった。







「おばさんもあさ美ちゃんのこと、娘だと思ってるからね。」




『ありがとう……………お母さん。』





照れくささを交えた言葉はすぐに喜びへと変わる。





「よかったな。」

陸はすぐ横でそう言って一緒に微笑んでくれた。






あの日、辛くて辛くて屋上へ向かった私にこの気持ちを分けてあげたかった。


そしたら私は
“生きることがバカ”なんて思わなかっただろう。