始業式などを済ませた私たちは門を出るとそのまま喫茶店へ向かった。














カランカラン。





『おばさん!聞いてよ、陸と同じクラスなの!』


カウンターに手をついて報告する私におばさんは笑って答える。

「うそーっ。良かったじゃない。」



後ろについて入ってきた陸を見て、おばさんはにっこり笑う。




私と陸はカウンターの席に座り、他に同じクラスになった陸の友達の話について盛り上がったりしていた。






「あさ美ちゃん、嬉しそうね。」

陸と楽しく話す私におばさんが言う。


『うん、嬉しいよ。』



午前中の喫茶店は夕方とは違った静けさで落ち着いていた。






「あ、あさ美。言わなくていいのかよ?」




陸が私にそう言ったのを聞いておばさんは

「ん?なに?」

と首をかしげた。