フィクションの物語の世界でなら悲劇のヒロインは耐えぬくであろうことを

私は耐えぬくことなどできなかった。



たった14歳で母を亡くした。殺したのは父。

それ以前に周りを恐れ人間関係が上手く築けなかった。
不登校。

イジメ。






真っ暗だった私の道は


そう。こんな暖かい場所を探し求めていたの。





『陸……………私ね、…ずっと怖かったんだ。』



私の言葉に、陸は星を見ることを忘れたように私に集中していた。


「なにが…?」




『陸は…神様っていると思う…?』



「うーん………いるんじゃねぇの?」




『…もしいるとしたら……私は神様に見放された唯一の人間だと………ずっと思って生きてきた。』






陸は困惑した様子で私を見た。





『ずっと……自分だけ違う真っ暗な世界にいる気がして…怖かったの。』