いつのまにか
ブランコは勢いを緩め
私は小さく揺られながらただただ綺麗な星を眺めた。
「あさ美……泣いてんの?」
陸が心配そうに伺ってきたので私は慌てて頬に乾きつつある涙を拭いた。
『へへっ…なんかね、私幸せだなって。』
「…………あさ美」
ぐっと胸にこみあげてくるものがあり、私は涙を止めることができなかった。
陸の顔を見ることができないまま、私は笑いながら泣いた。
泣いたのは、なぜだかわからない。
笑ったのは、なぜだかわからずに泣いている自分がおかしかったから。
色んなことがあった。
その色んなことを
“色んなこと”と一言にできてしまえるのは、私の中で不安が安心に変わったからなのかもしれない。
もちろんそれは、陸のおかげでもあるのだ。