帰りの車の中で浅い眠りについていた私は
家に近づいたところで目を覚ました。
見慣れた住宅街が広がっていて、辺りはもう暗くなっていた。
なぜか陸にそのまま帰ってほしくなくて私は家についた後、陸を散歩に誘った。
暗いからなるべく早く帰るように、と綾子おばさんは一言述べて家に入った。
もう季節は完璧な冬。
雪が降りそうなくらい寒い。
「あさ美…。」
『ん?』
隣に歩く陸は
もう“幼なじみ”というより“彼氏”という感覚が染み付いていた。
「もうすぐ冬休みじゃん?今年もあと少しだしさ、どっか行こうか。」
『…そうだね。』
陸が白い息を吐いて寒そうな顔したので、
私も真似てハーっと息を吐いた。
そんな私を見て笑った陸。
一生隣にいたいと思った。