まだ17年弱しか人生というものを知らない私はもうすでに色んなものを見た。
たくさんの感情や熱を知った。
人が人生のうちに触れられる出来事の数はいくつあるのだろう。
私はそのうちのどれくらいを経験したのだろう。
まだほんの少しと言うのならば、これからたくさんのニュースが私を待っているだろう。
お墓へ来て、悲しいわけじゃないのになぜか涙が出そうになった。
母が私を見ている気がした。
もう二度と会わないと決めた父に手紙でも出そうかという気持ちになった。
隣にいる綾子おばさんと陸を
昨日よりもいとおしく思った。
新たな決意を胸にこれから自分で道を切り開いていく、
裕平くんや絵里の後ろ姿が頭に浮かんだ。
私にとって初めての友情だった、弥生とかんなの笑顔が浮かんだ。
全てのことがつい最近のことのように感じ、温かい気持ちでお墓をあとにした。