その週末
お墓参りへ行った。
綾子おばさんの車に乗り、陸と3人で。
母が亡くなってから何度も来たけれど
何度来ても、
“母が死んだのだ”と改めて実感させられる。
手を合わせながら私は思う。
母は今、どこにいるのだろう?
この中?
それとも空?
天国と言う異国が本当に存在するのならば、それはどんなものなのだろう。
お母さん
私はずっと
自分だけが暗闇にいると思っていた。
そうして生きてきた。
でも違うんだ。
お母さんも暗闇を知ってるよね。
私と同じくらい悩み、苦しみ、暗闇を彷徨っていた。
あの荒れたリビングの隅で小さくなる背中を
今の私なら守ってあげられたかもしれない。
今、どんな世界にいるのかはわからないけれど
そっちはどうですか?
暗闇ではなく、灯りはありますか?
お母さんが、
孤独でなければいいな。