同じ小学校だった誰かが私の話をして、どこからともなく噂が流れたんだろう。
廊下に立ち止まり、まだ新しい上靴を眺めた。
私…いつそんなことした?
私が私であることに
家がどうとか、周りがどうとか
関係あるの?
だったらそもそも人間なんて
みんな、なんの価値もないじゃないか。
私が人の物を盗む?
貧乏?
何もしていない私がそう言われるのなら
下靴を隠され裸足で帰った私はどうなるの。
そのとき
プツリと私の中で何かが弾けて切れた。
私、なんでここにいるんだろう
なんで生きているんだろう
今自分が居場所を得られないまま
孤独に生きていることを
とても恐ろしく
危なく、恨ましいことに感じた。
だめだ
ここにいてはいけない
燃え尽きて
自分がなくなってしまう
そんな衝動にかられた私は
停止した。