一周忌が終わり、誰もいない喫茶店におばさんと2人。


久々にこの空間に来た。



「何か飲む?」


『お茶ください。』




私はいつも座っていたカウンターに座った。
そう、この感触。



おばさんが出してくれたお茶を一口飲んで喉がひんやりとした。


おばさんも自分の分のグラスを持ち私の隣に座る。




「腰、まだ痛む?」


『うん、激しく動いたりはできないかな。』



静かに沈黙が続く中、おばさんは私の髪を撫でていた。




その手から伝わる優しさは母そのものだった。




『おばさん…………いっぱい迷惑かけてごめんね。』



私が言うとおばさんは苦笑いをした。

「あさ美ちゃんのこと迷惑なんて思ったこと一度もないわよ。」




この1年

突然母を亡くした私には
おばさんが母だった。



私と同じ悲しみを味わったおばさんは


生まれた時から母と生きてきたのだなと感じられる仕草をたくさん持っている。