夏休みに入った頃、私は無事退院した。



まだ腰が完治しているわけではないのでリハビリには通わなければならない。



休んでいた間の勉強にも追いつかなくてはいけない。


もう2ヶ月以上、あの教室には入っていないので9月になるのが少し怖かった。



ちぎれたストラップを外し裕平くんとの思い出や、あの気持ちを過去にした私は携帯に新しいストラップをつけた。

陸とお揃いのストラップ。


陸がミッキーで私がミニーの可愛いストラップだ。

こんなことをしていながらも、陸と私には付き合っているという雰囲気は全くなかった。

今までのように、何でも言い合える幼なじみ。



ただ、お互いを思う“好き”の種類が少し大人になったんだと思う。





間違いなく私は
陸が“好き”だから。






私はその新しいストラップを見つめ、



母の一周忌の支度をした。