眠れないまま夜があけた。






今日からまた学校。

重い身体を起こし、携帯を見る。


電源を切ったままの真っ暗な画面。

つける勇気がなくて、私は携帯を閉じる。





綾子おばさんに買ってもらった携帯。
裕平くんからのストラップ。



私の大事な宝物が汚れるようなことしないで…



私は電源を切ったままの携帯を鞄に入れて支度を始めた。






お母さん。


私ね、お母さんが死んだ時



もうこれ以上の悲しみはないと思ったんだ。

これほどの悲しみを味わったなら、他にどんなに辛いことでも大したことじゃないって………




でも違うよ。

そうじゃない。






今までの傷やお母さんを失ったことが、癒えるわけでもないのに




そんな状態のまま

また孤独の世界に迷うなんて辛いだけだよ。






ねえ、







私…………なんで生きてるの?