止まらない涙を流しながら俯くと
上履きで外を歩いてる自分がおかしくて笑えた。
夢の中で握りしめた母の手のぬくもりを
両手に思い出しながら
ゆっくり道を歩く。
「あさ美?」
ふと顔をあげると、そこには陸が心配そうな顔をして立っていた。
「やっぱりあさ美だ。さっきそこの角から見えたもんだから……………
………どうした?泣いてんのか?」
私は慌てて泣き顔を隠す。
『…なっ…なんでもないよ…!』
「なんでもないことないだろ。お前、靴は?何で上履きのままなんだよ。」
陸に止められて、私はその場に立ったまま動くことができなかった。
「…………まさか………イジメられてんのか?」
陸、そうだよ。ビンゴだよ。
でもなんで分かっちゃうの?
なんでいつも私が辛い時、陸はそばにいるの?