その日から
私は放課後、おばさんの喫茶店に寄らなくなった。
裕平くんに会ってしまうかもしれないから…。
会ったら悲しくなるだけ。
ますます好きになるだろう。
寂しさが募るだけでしょう?
絵里にバレたら
とんでもないことになる。
綾子おばさんは最近私が真っ先に家に帰るのを心配していたが、
私は観たいテレビがあるから、と適当に笑って誤魔化していた。
もう、裕平くんには会わない方がいい。
もう…
あんな楽しい日々は終わったの。
高校生になる前の
かんなや弥生と一緒に居たあの短い日々に戻りたくなった。
私は………
……昔から怖がりで、いつも何かに怯えていた。
私はいつだって
絵里には、勝てない。