絵里ちゃんはよっちゃんの言葉を聞き、驚いた顔で私を見た。
『違う……!違うよ、絵里ちゃん!私は取ってない!』
よっちゃんは、私を欺くような目で見つめ
絵里ちゃんの隣にくっついた。
『違う………違うよ。』
お願い、信じて。
私の訴えに絵里ちゃんが返してきた言葉は
耳を疑いたくなるような一言だった。
「これだから嫌なんだよね、貧乏人は。」
正体をみせたな。
消えてしまえ。
絵里ちゃんの目がそう言っているように思えて、
私は涙目になりながら首を振った。
違う…………違う…
私はそんなことしない。
だけど、明らかに絵里ちゃんや周りの子たちと違った
暗いオーラの私は
疑われてもおかしくない人間だった。
私はとにかく怖がりで、いつも何かに怯えていた。
足は引きずるように重かった。
私は、教室を飛び出した。