鞄をもち、静かな廊下に出る。
ロッカーに向かうとそこに佳代と千春の姿が見えて
私はなぜか咄嗟に隠れてしまった。
「それにしてもさ〜今日の絵里ちゃんの話本当かな?」
佳代の声が聞こえて
私はもう消えてしまいそうになるくらい心臓が音を出していた。
「本当でしょ。だって絵里ちゃんが言ってもあさ美否定してなかったし。」
「だよね、絵里ちゃんの婚約者のこともやっぱり狙ってたりして。」
「絶対そうだよ。」
私の話題に軽蔑の笑いを奏でる2人を
おぞましく思った。
「私たちもこのままあさ美と一緒に居たら、絵里ちゃんに嫌われちゃうかも。」
「それは嫌だぁ。」
千春と佳代のやりとりが
いつまでも耳に残る。
2人はだらしない足音で、学校を出ていった。
もう、あの2人は戻ってこない。
あんなの………本当の友達じゃない。