次の日、血相を変えて教室に入ってきた絵里は
鞄も置かずに私の席まですごい速さで歩いてきた。
「あんた………人の彼氏になに手出そうとしてんの?」
突然、怒声を浴びせられてわけがわからなくなる。
『…え……なんのこと?』
「とぼけないでよ!!!」
佳代と千春は、隣の席から何事かとこちらを見ていて
クラス中が絵里と私に注目した。
「絵里〜どうしたの??」
絵里の後ろからナギサとユキが駆け寄ってくる。
「あさ美、昨日私の婚約者に声かけてたの。」
「え………なに?どうゆうこと?絵里の婚約者に手出そうとしてんの?」
ユキが身を乗り出すようにして聞いている。
『…私…別になにも………』
その時、私は決して信じたくないことに
気付いてしまった。
昨日私が声をかけた人って…………
もしかして、
絵里の婚約者って裕平くんなの……?