『よっちゃん…………何してるの?』
もしかして絵里ちゃんのマフラー
パクろうとしてた…?
「なんでもない。」
そういってよっちゃんは私に背を向けた。
『なんでもないって、それ………絵里ちゃんの』
私がよっちゃんに近づくと同時に
再び教室の扉が開いた。
「帽子忘れちゃった〜……………」
体育の時にかぶる紅白帽を走って取りにきた絵里ちゃんは
私たちを見て不思議な顔をした。
「何……してるの?それ、絵里のマフラー……」
絵里ちゃんが信じられない表情で一歩こちらに近づいた。
『あのね、絵里ちゃん』
私がなんとか説明しようとした時、私の声はよっちゃんの声によって消された。
「あさ美ちゃんが絵里ちゃんのマフラー盗もうとしてたの!!だから私が取り返したの!」
………………え……?
突然のよっちゃんの発言に私は驚きを隠せない。