胸に手を当てていなくても鼓動を感じられる程、私はドキドキしていた。
「あ、当たった...」
昼休みにスマホに届いていたのは当選メール。それはハルカナのアルバムについている応募券で応募し、当選した100人が握手会に参加できるものだった。
「面白い顔してんねー。どうしたの?」
スマホをガン見している私に話しかけてきたのは、友人の美咲だった。
「ハルカナの、あ、握手会、当たった」
「おーおめでとー」
「どうしよう。カナトと会える。やばい、緊張する」
「ハルカも居るからねー?」
「あっ」
ハルカの名前を出され、先日のコトが頭を過ぎる。
本当に私はハルカと会ったんだ。でもハルカもあの高台に居たコトは言わないで欲しいと言っていた為、会えたコトは友人にも言えない。
急に黙り込んだ私を見て、美咲が不思議そうな顔をする。
「どうした?もしかしてハルカも気になり出した?」
「そういう訳じゃ無いけど...」
「まぁそうだよね。玲那はずっとカナト一筋だもんね」
「えへへっ。まぁね」
「なんで玲那はカナトが好きなの?」
そう聞かれ、大切な思い出が頭に浮かぶ。しかし、その思い出は誰かに話すのではなく、宝物として大切にしまっておきたいものだった。
私は当たり障りのない返答をする。
「優しくて、ファン想いな所が好きだから。あとカッコいいからね」
「なるほどねー。そんなカナトと握手できるんだ」
「そうなの!あーどうしよう。1ヶ月後だよ!?それまでずっと緊張しちゃう!」
「嬉しそうだねー」
「嬉しすぎるよ!美容院行かなきゃだし、服も買うでしょ。あと会えた時に何言おうか考えないと。それと...」
「先にお弁当食べてるよー」
美咲の言葉に返事ができない程、私の頭の中は握手会のコトでいっぱいだった。
「あ、当たった...」
昼休みにスマホに届いていたのは当選メール。それはハルカナのアルバムについている応募券で応募し、当選した100人が握手会に参加できるものだった。
「面白い顔してんねー。どうしたの?」
スマホをガン見している私に話しかけてきたのは、友人の美咲だった。
「ハルカナの、あ、握手会、当たった」
「おーおめでとー」
「どうしよう。カナトと会える。やばい、緊張する」
「ハルカも居るからねー?」
「あっ」
ハルカの名前を出され、先日のコトが頭を過ぎる。
本当に私はハルカと会ったんだ。でもハルカもあの高台に居たコトは言わないで欲しいと言っていた為、会えたコトは友人にも言えない。
急に黙り込んだ私を見て、美咲が不思議そうな顔をする。
「どうした?もしかしてハルカも気になり出した?」
「そういう訳じゃ無いけど...」
「まぁそうだよね。玲那はずっとカナト一筋だもんね」
「えへへっ。まぁね」
「なんで玲那はカナトが好きなの?」
そう聞かれ、大切な思い出が頭に浮かぶ。しかし、その思い出は誰かに話すのではなく、宝物として大切にしまっておきたいものだった。
私は当たり障りのない返答をする。
「優しくて、ファン想いな所が好きだから。あとカッコいいからね」
「なるほどねー。そんなカナトと握手できるんだ」
「そうなの!あーどうしよう。1ヶ月後だよ!?それまでずっと緊張しちゃう!」
「嬉しそうだねー」
「嬉しすぎるよ!美容院行かなきゃだし、服も買うでしょ。あと会えた時に何言おうか考えないと。それと...」
「先にお弁当食べてるよー」
美咲の言葉に返事ができない程、私の頭の中は握手会のコトでいっぱいだった。