後光さえ見えるほどの極上の笑顔で、カレンはウォーレンの腹を撫ではじめる。
 
――よしよし、カレンは喜んでいるな? 騙しているようで良心は痛むが、こうやってカレンの色々な表情を見ることができるのは、好ましいことだ。

 ウォーレンの複雑な胸中はいざ知らず、カレンは夢中で犬の姿のウォーレンを愛でつづける。

「白くてフワフワで、とってもかわいいワンちゃんでちゅね。いいこ、いいこ……」

 カレンの長い指で優しく耳元を撫でられると、ウォーレンの尻尾は高速回転した。いまいましいことに、この尻尾はコントロールができないらしい。
 そのうえ、カレンの指でウォーレンのピンとたった耳の根元をクシュクシュと撫でられると、なにやらえもいわれぬ快感が体中に広がる。眼がトロンとしてきたウォーレンはブルブルと頭を振った。

――ああっ、なんだなんだこの気持ちは……! 動けぬぅ……!

 このままだとぐっすり寝てしまいそうだ。

「あら、ワンちゃんはおねむなのかしら? ほら、お膝の上においで」

 そう言って、カレンは優しく白いモフモフたるウォーレンの頭を膝の上にのせると、首に手を回してぎゅっと抱きしめる。