カレンは相変わらず、にこやかにウォーレンの頭を撫でている。
「もしアナタに飼い主が見つからなければ、この城で飼ってあげたいけれど……。陛下は、ワンちゃんはお嫌いかしら。あの方は、いつもしかめ面で動物すべてに興味がなさそうだけど……」
――そ、そんなことはないぞ! 犬は好きだ!
ウォーレンは反論しようと思ったが、やはり口から出るのは「くーん!」という可愛らしい鳴き声だけだ。どこまでも無力である。
「あらあら、なにかしら? なにか言いたいの?」
芝に座ると、ウォーレンに目線をあわせた。犬の姿になったウォーレンを見る美しい瞳は、どこまでも優しい。本当に犬が好きなのだろう。
カレンがこんなにも犬好きだと、ウォーレンは知らなかった。
結婚して三年も経つというのに、お互い知らないことが多すぎる。年上である自分が歩みよるべきだと分かっていたのに、忙しさを言い訳にして、ウォーレンはカレンから眼を背け続けた。
――こうやってふたりで時間を過ごすことすら、この二年まともにできなかった。改めて向き合うと、カレンはさらに美しく成長したな。いや、昔から抜きん出て美しい娘だったが……。
「もしアナタに飼い主が見つからなければ、この城で飼ってあげたいけれど……。陛下は、ワンちゃんはお嫌いかしら。あの方は、いつもしかめ面で動物すべてに興味がなさそうだけど……」
――そ、そんなことはないぞ! 犬は好きだ!
ウォーレンは反論しようと思ったが、やはり口から出るのは「くーん!」という可愛らしい鳴き声だけだ。どこまでも無力である。
「あらあら、なにかしら? なにか言いたいの?」
芝に座ると、ウォーレンに目線をあわせた。犬の姿になったウォーレンを見る美しい瞳は、どこまでも優しい。本当に犬が好きなのだろう。
カレンがこんなにも犬好きだと、ウォーレンは知らなかった。
結婚して三年も経つというのに、お互い知らないことが多すぎる。年上である自分が歩みよるべきだと分かっていたのに、忙しさを言い訳にして、ウォーレンはカレンから眼を背け続けた。
――こうやってふたりで時間を過ごすことすら、この二年まともにできなかった。改めて向き合うと、カレンはさらに美しく成長したな。いや、昔から抜きん出て美しい娘だったが……。