その時、魔法使いが小走りで戻ってきた。手には緋色のマントを持っている。

「ああっ、陛下! 犬になる魔法が解けたら、陛下は真っ裸になるのをすっかり忘れてましたぁ!」

 カレンは後ろを向いたまま、おずおずと頷く。

「服を着てくださいな、陛下。あのフワフワの毛がなくなってしまったいま、裸のままでは御身が冷えてしまいます」
 
 ウォーレンは、ひどく赤面した。