「カレンに手を出さなかったのは、その……嫌われていると思っていたからだ。それに、魅力的な君を前にすると、どうしてもうまくしゃべれなかった。結局のところ、俺が臆病者だっただけだ」
「……っ!」

 カレンはアイスブルーの瞳を見開いた。涙で潤んだ目が、キラキラと光る。

「すまない。カレンの強さに、俺は甘えるだけ甘えていた。結局、君を傷つける結果になってしまい、本当に後悔している。これからは、君と向き合うと誓おう」

 真面目に告白するウォーレンをじっと見ていたカレンは、ふと息をのんだ。

「……陛下、あの」
「どんなに謝っても、君を傷つけたことには変わらない。俺を恨んでくれても構わない。それでも、どうか俺を見捨てないでほしい」
「そうじゃなくて、あの……っ」

 カレンは真っ赤になって、くるりと後ろを向き、ウォーレンから眼を背けた。ウォーレンは怪訝な顔をする。