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どうやら今回は前回とは全然違うみたいだ。
A組の教室へ戻ってくるまでに私はそう確信していた。

玲香と洋子のときはデマを吹き込んだ時点ですでに私達の言葉を信用して、関係がギクシャクしはじめていた。
でも今回は全然違う。

デマを吹き込んでもまるで手応えを感じない。
そしてそれは詩子の方でも同じだった。


「弥生を呼び出して『結が弥生のことを嘘つきって言ってたよ』って伝えたんだけど、全然反応しなかった」


詩子は眉間にシワを寄せて不服そうにしている。
やっぱり、50万ポイントともなるとそう簡単に絶交させることはできないのかもしれない。

教室内で弥生と結のことを見ていても、ふたりの関係がぎくしゃくしているようには見えなかった。
普段どおりだ。