私の母親はパート先から家までを徒歩で行き来している。
その歩数をポイントとして貯める、いわゆるポイ活をしているのだけれど、なかなか貯めることができずに苦戦しているのだ。

100万ポイント溜まっても、電子マネーに換算するとほんの1000円ほどだと聞いたことがある。
それでも続けているのは、歩くだけじゃつまらないからだそうだ。

きっとこのゲームもポイ活と同じようなもので、どれだけポイントを貯めても商品交換までは長くかかるんだろう。
だからこそ、高額商品を用意できるんだ。


「これ見て」


そう言って詩子が指差した先には説明の続きが書かれていた。


「最初に自分と、自分の親友の写真をアップしてください」

「なにこれ? どういうこと?」


私が首を傾げていると、詩子がこちらへ視線を向けた。


「つまり、ゲームをする雛と、雛の友人が写っている写真をアプリに登録するってことだよね?」