そう、必死に否定するものの確信をついた言葉は出てこない。
その反面、洋子はこの前行われた自分の小テストを持参していた。

50店満点中49点の高得点だ。


「だったら玲香にこのときの答案用紙を見せてもらいなよ。間違えた問題は1つだけ。その1つは私と同じところだから」


と、証拠まで見せている。
昨日散々玲香から攻撃を受けたから、昨日のうちから準備して持ってきたのだろう。

そこまで用意周到な洋子には目を瞠るものがあった。
直接なにかを口に出すことは少なくても、それくらい腹を立てていたということだ。

玲香の取り巻きたちも口ごもる。
洋子の口車に乗って玲香に解答用紙を見せさせれば、カンニングの証拠を見せたことになってしまうからだ。

なにも言えなくなった玲香は取り巻きたちを連れて教室から逃げ出してしまったのだった。