そんな洋子の声が聞こえてきて、クラスメートたちの視線が玲香へ向かう。
玲香にも当然その声は聞こえていて、慌てたように席を立ち上がった。
そのまま洋子へ近づいていく。


「ちょっと、やめてよ！」


玲香が止めるのも聞かずに「私の答案、カンニングして成績を保ってたんだもんね？」と大きな声で言ったのだ。
一瞬、教室内の時間が停止したように感じられた。

洋子のテストをカンニング。
そんなの初耳だった。

だけど玲香は否定できずに立ち尽くしている。
洋子は勝誇った笑みを浮かべた。


「玲香のこと友だちだから、最下位になったらかわいそうだから見せてあげてたのに。もうそれもできなくなるね？」

「そ、それは……」