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教室へ入ると、相変わらず玲香と洋子のふたりは険悪ムードだった。
玲香が男子生徒をはべらかしてネチネチと洋子への攻撃を繰り返している。

昨日はそれで真っ青になって逃げ出してしまった洋子だったけれど、今日は様子が違った。
洋子の周りには４人の女子生徒が集まっていて、みんな真面目で成績のいい子ばかりだ。


「ガリ勉で集団になっても華がねぇよなぁ！」


玲香の取り巻きが嫌味を投げかける。
しかし彼女たちは動揺を見せない。
それどころか玲香へ睨み返している。


「なにがあったの？」


今日は私より早く登校してきていた詩子へ聞いてみるけれど、詩子も左右に首を振った。
教室へ入ってきたら、すでにこの状況だったみたいだ。


「玲香は男ばかりに気を取られて本当は成績最下位なんだよ」