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浩二との関係は豊以外のクラスメートたちには誰にも伝えていなかった。
もちろん、詩子にも。

詩子は最近違うグループの子たちと一緒にいる時間が増えたから、伝える必要もなかった。
私はのんびりと自分の時間を過ごす。

次はどうするか、どういう手を使ってゲームをすすめるか。
それを考えることに没頭できる。


「豊くん、今日は部活?」


放課後になって声をかけると豊は頷いた。


「あぁ。昨日お見舞いに行けたし、今日は部活に出るよ」


日曜日のお見舞いは昨日だった。
久しぶりに三人揃った病室内には笑いが絶えず、気にした看護師さんが何度も確認しにきたくらいだ。

「そっか。頑張ってね」


私は豊に手を振り、教室から出ていく後ろ姿を見送った。