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その日のうちにメッセージアプリを交換した私達は毎日のようにメッセージのやりとりをするようになった。

浩二は病院の中で暇をする時間が多いらしく、今日の天気の話とか、花壇に咲いた花の写真とか、どうでも良い日常を切り取って送ってくることがおおかった。

時々長時間返信がないときは、決まってリバビリをしている。
手術は無事に終わったから、今度は車椅子の練習や日々の生活に必要なことを取り戻していくらしい。


「調子はどう?」


私は放課後になると売店でおばちゃんの手作りクッキーを買って、袋を入れ替えて浩二のところへ持っていく。


「だいぶいいよ。車椅子にも慣れてきた」


浩二の前向きな性格が良かったのか、みるみる調子が戻って来るのがわかった。
両足切断という悲惨な経験をつい一週間前にしたとは思えないくらいだ。


「クッキー、今日も美味しいね」