浩二は軽く首を傾げた。


「どうかな。そうなるかもしれないし、ならないかもしれないし」


まだ恋愛についての先のことは決めていないみたいだ。


「そっか。それなら今がチャンスってことでいい?」


その質問にさすがの浩二も感づいたみたいた。
私を見て目を大きくして頬を赤らめた。

あれだけモテているのに女子生徒との交際を一切してこなかった浩二は、うぶそのものだ。
こうして面と向かっての告白だって未経験だった。


「私、ずっと浩二くんのことが好きだったの」


浩二が耳まで真っ赤になる。

私の心のこもっていないこんな言葉で真っ赤になってしまうなんて、恋愛に関しては小学生並なのかもしれないと思わせた。


「……本当に?」


伺うように上目遣いで聞いてくる。
その表情はサッカーをしているときに比べると随分と可愛らしい。