昨日と今日、画像に変わりないのは、わたしにも判った。

「昨日の潜入で持ち帰った画像を先ず、解析する」

柊くんはタブレットを取り出し、園芸部温室の見取り図を広げた。

「1枚目は此処、副会長が撮った画像だ。水道と道具置場の前、四角い等身大の鏡」

「そうそう、斜め前に鏡があってさ。それにはラナンキュラスが映っていた」

副会長は柊くんが1枚目の画像をスライドする前に、2枚目の画像の内容を話した。

「水道から薔薇区画、この範囲は副会長の姿も椿の姿も映らなかった。2枚の鏡がそれぞれ反対側の薔薇とラナンキュラスを移すことで、此処を歩く者の姿は映らない。つまり」

「透明人間になる」

わたしは思うまま、呟いた。

「そう、ご明察。薔薇を枯らす犯人は監視カメラに映らないが成立してしまう」

「スゲェ」

わたしたちはタブレットの画面と監視カメラを、交互に見つめた。