「はっきり言うんだな」

柊くんはわたしの顔を観ながらポツリと言い、課題とレポートを鞄に仕舞った。

生徒会室に向かう間、ずっと視線を感じた。

俺の髪の色が珍しいんだ-ー温室潜入前日の柊くんの言葉を思い出した。

2度目ともなると、観られているのはそれだけではないなと感じた。

柊くんと一緒に歩いているから、柊くんと話をしているからだと。

生徒会室に入ると、生徒会長と副会長が待ち構えていた。

「柊、遅い」

会計の先輩は冷蔵庫からローズティーを出しながら、苛立ちも(あらわ)だった。

柊くんは急ぐ様子もなく、先ずパソコン画面を確認した。

「ガンちゃん、監視カメラは変わりない?」

昨日の監視カメラの画像には、薔薇区画の1部にラナンキュラスが映っていた。

今、薔薇区画には昨日と変わらずラナンキュラスが映っている。

「侵入したのはバレてないみたいだな」