俺の声聞こえてないかもな、














コンコン、ガチャ














樹「どうした?」














「凛、発作起こしてる」














樹「なるほど、」














そういって、点滴の準備をし始めた














「凛、かなりしんどそうだから点滴するな」














少し強引にベットの上に横にならせた














凛「やだっ、お願い、やめてっ」














凛の目からは涙が溢れてくる














樹「薬使ったら、痛いの少しずつなくなるよ」














凛「やだっ、やめてっ」














嫌がり方が尋常じゃないな、














凛「やだっ、薬飲みたくないっ、やめてっ」














いつもだったら、しがみついてくるか














イヤイヤ言って振りほどこうとするのに














今日はなぜかそういうことはしてこない














凛「やめてっ、お願いっ、やめてっ、














誰にも言わないっ、いい子にするからっ、」














何かから自分を守るように














体をぎゅっと小さくさせて














なにかに耐えるように














「りーん、」














凛「お願い、やめてっ」














樹「分かった、やめておこうね」














凛「やだっ、」














パニックが一向に治まる気配がない














「凛、大丈夫」














すべてを包み込むように優しく抱きしめた














凛「やだ、やなのっ」














「うん、やだったな。














点滴はやめておこうって樹が言ってるよ」














凛「薬、しない?」














樹「うん、しない」














凛「うん、」














樹「今、凛ちゃんの側に誰がいるかな」














凛「京と樹くんがいる、














あと、さくら。」














「え、さくら?」














あたりを見渡してみると














部屋の入口にさくらが座っていた














樹「ふふ、意識は大丈夫そうだ」