あの日、凛が救急車で運ばれてきた日














俺は当直だった。














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Ns「5分後に救急車きます!」














「了解です〜」














今日はやけに静かで、それが














台風が来る前の静けさと少し似ていた














そんな中、運ばれてきた1人の女の子














救急隊員「井出凛さん、15歳、女性














〇〇高等学校に通ってる1年生です














公園のベンチの近くで倒れてるところを














通りかかった人が発見














腕に自傷の跡、多数














そのうち1つが動脈を傷つけたようです」














「移しますっ!














1、2、3!














ルート確保してください!














ごめんね、心電図つけさせてね」














心電図をうけようと服をまくった時














「なんだこれ、」














体のいたるところにつけられた無数の痣














言葉を失いかけた














「っ、児相に通報しましょう」














痣の処置、傷の処置、MRI、CT














ひと通り診察して














井出さんは部屋に運ばれた














凛「ん、」














「井出さん、分かる?」














凛「だれ、」














「井出さんの担当になりました、














小笠原 京です」














凛「頼んでない、」














「井出さんの腕、俺が縫合しました














だから、最後まで責任もって見届けます













頼んでないって言われても」














凛「なんで、そこまでするの」













「俺が医者だからです」














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