ただ、どんどんエスカレートしていって














大きい血管を傷つけてしまうこともあって














一瞬見ただけで














分かるくらいの傷が残ってしまった














凛「一生消えないんだよ、これ」














「うん」














凛「こんな汚い傷ある彼女嫌でしょ?」














「嫌だったら付き合ってないと思うし














俺、嫌だって1回も思ったことないよ」














凛「うそ」














「嘘じゃないよ、」














凛「嘘だよ、














だって自分で傷つけたんだよ?」














「傷つけた傷だから汚いってそういうこと?」














凛「だってそうでしょ、」














「ならさ、心臓が悪くて手術して














傷がある人も汚い人になるの?」














凛「それとこれとは...」














「違くない」














凛「違うよ、」














「手術した人も汚い人になっちゃうの?














症状を治すために手術して傷ができた














つらい気持ちを乗り越えるために














自分の腕を切って傷ができた














どっちともつらい気持ちをして、ついた傷だ」














凛「...」














「俺は傷があったとしても、














凛が今生きて側にいてくれたらそれでいい」














凛「でも、」














「傷は関係ない、関係ないよ。」














凛「...」














「傷があったから好きになったんじゃない














傷があったとしても、なかったとしても














俺は凛のこと好きになってた」














凛「けい、」














「ただ、その傷がなかったら














俺と凛は出会ってなかった














そうだろ?」














凛「(コク)」