そこに無いからだって、ぜんぶそのせいにして、自分ひとりじゃ何もできなくて。
「…聞いたよ。このみちゃんが俺のためにメスゴリラたちに……女子たちに強く言ってくれたんだってね」
「………、」
「女子トイレで。俺のこと、庇ってくれたって」
「かっ、庇ってないよ…!」
たぶん、あのあと。
案の定ウワサのようなものがじわじわ立ってたんだ。
直接私には届いて来なかったとしても、悪口のようなものに変換されて。
OLさんの更衣室で繰り広げられる話題のひとつに、私の良くない噂話が加わってしまったんだ。
でも、庇ったわけじゃない。
それだけは絶対だと、私は咄嗟に返した。
「私は……本当のことを言っただけで、そうだと思ったから、言っただけ…で、」
そのときだってあの画用紙に、あのお守りに力をもらっていた。
結多くんにパワーをもらっていたの。