もちろんバイト先にも話は通って、私はしばらくのあいだバイトを休むことになった。
「このみちゃん」
まさか警察沙汰にまでなっちゃうなんて…。
どうしよう、お母さんにも連絡したほうがいいのかな。
いやでも、そこまで大事にもしたくないし…、心配かけさせたくないし。
これでもう解決したなら、それでいい。
「このみちゃん」
お礼言わなくちゃ。
助けてくれてありがとうって、来てくれてありがとうって。
どうして来てくれたんだろうって不思議すぎるけれど、だって結多くんだからって納得もできる。
「あの……ね、」
「うん」
「……森の…可愛すぎるくまさん、ね、」
「…うん」
「落としちゃったの…、だから勉強もバイトもダメダメになっちゃって……、やっぱり結多くんパワーがないとダメでね、私…っ」
変わっている気になって、変われた気になって。
前を向けている気になって、でもいつだって結局はポケットを頼る癖。