「私なら…大丈夫だから…、」


「このみ、警察呼んで」


「…えっ、け、警察…?でも、そこまでは…」


「そこは迷ったら駄目。こんな害悪な犯罪者を野放しにするわけにはいかない」



それから。

駆けつけてきた警察官により、この男が万引きだけじゃなく複数件のストーカー被害で捜索されていた男だと知る。



「ご協力ありがとう。きみのおかげで無事に捕まえることができた。きみは武道経験者なのかい?すごい拘束固めだったな」


「まあ…ちょっとかじってる程度で。それはそうとこいつかなりヤバいと思うんで、ほんと頼みますよお巡りさん」


「ああ、もちろんだ。きみは彼女さんのメンタル面のサポートをお願いね。また何かあったら連絡してほしい」


「わかりました」



パトカー内にて軽い事情聴取が行われて、そのあいだずっと隣にいてくれた結多くん。


転んでしまった膝も手当てをしてくれると、遅くならないうちにお巡りさんたちはサイレンを鳴らし、犯人を署へと連行していった。